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ロック好きにもオススメ!~モダン・ブルースの名盤
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ロック好きにもオススメ!~モダン・ブルースの名盤

ロックンロールやジャズのルーツと呼ばれるブルースの誕生は、19世紀後半にまでさかのぼります。

いわゆる戦前ブルースとも称されるデルタ・ブルースやカントリー・ブルース、戦後シカゴから発達したエレクトリックを用いたシカゴ・ブルースやモダン・ブルースなど、その形式はさまざまであって一口で語れるものではありません。

今回の記事では、2020年代の今も多くのミュージシャンがそのスタイルや魂を受け継ぐ、ブルースの名盤をご紹介します。

初心者の方でも聴きやすいモダン・ブルースをメインとしたラインアップとなっておりますので、日ごろロックを聴かれている方であっても、入りやすい内容となっておりますよ!

もくじ

ロック好きにもオススメ!~モダン・ブルースの名盤

Live at the Regal

Sweet Little AngelB.B. King

ブルースの名盤とされる作品の多くにライブ・アルバムが含まれているのは、傑作とされる本作を聴けばその理由がよく分かるのではないでしょうか。

ブルースに限ったことではありませんが、やはりライブにこそミュージシャンの本質が出るというのはある種必然なわけで、ブルースのような音楽であればなおさらと言えるかもしれませんね。

1925年にアメリカはミシシッピ州で生まれ、1950年代から長きに渡り音楽シーンにおいて活躍したブルースギタリストの代表的な存在であり、音楽界の偉人であるB.B.キングさんの残した作品の中でも、とくに高い評価を得ているのが1965年に発表された『Live at the Regal』です。

1964年、シカゴの会場リーガル・シアターにおけるライブ・パフォーマンスを収録した作品で、演者と観客の熱気がリアルに伝わってくる名演の数々は、音楽史において歴史的な価値を持った重要な記録です。

B.B.キングさんの名人芸が炸裂するギター・プレイは多くのロック・ギタリストをも魅了し、エリック・クラプトンさんやジェフ・ベックさんといった偉大なギタリストたちが本作をフェイバリット・アルバムとして挙げています。

KOH-1

King of the Delta Blues Singers

Crossroad BluesRobert Johnson

今回のテーマ記事では、比較的聴きやすいモダン・ブルースを中心とした名盤を紹介しておりますが、デルタ・ブルースの第一人者にして、ロック・ミュージシャンにも多大なる影響を与えたロバート・ジョンソンさんの作品はやはり取り上げておきたいところ。

悪魔に魂を売り渡し、卓越したギター・プレイを身に付けたとうわさされた伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンさんが27歳という短い生涯の中で残した音源が収録され、1961年に発表された永遠の名盤『The King of Delta Blues Singers』です。

戦前ブルースの貴重な証言であり、ブルースの歴史において最重要な音源の1つである本作で聴けるサウンドは、過酷な生活を強いられていた黒人のリアルな日常の告白、人生の悲哀や情念がそのまま音楽として表現された、まさにブルースという音楽そのものです。

ロック畑のリスナーが突然本作を聴いても取っ付きづらいかもしれませんし、まずはシカゴ・ブルースの名盤などでブルースに慣れつつ、悪魔の音楽へと足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

KOH-1

Howlin’ Wolf

SpoonfulHowlin’ Wolf

一度聴いたら忘れられない強烈なだみ声と巨体の持ち主、黒人ブルース・シンガーの代表的な存在の1人であるハウリン・ウルフさん。

ウルフさんが1962年にリリースしたセカンド・アルバム『ハウリン・ウルフ』は、シカゴに拠点を置き、ブルースを語る上では絶対に避けては通れない名門中の名門レーベル、チェス・レコードのカタログの中でも名盤の誉れ高い1枚です!

アルバム・ジャケットのデザインから『ザ・ロッキン・チェア・アルバム』とも呼ばれる本作は、シカゴ・ブルースというジャンルの中で多くの名曲を作詞・作曲した名ソングライター、ウィリー・ディクスンさんの手掛けた楽曲を中心として構成され、ブルースの荒々しさとキャッチーさが同居した楽曲がずらりと並ぶ、ブルース入門編としてもハウリン・ウルフさんの音楽に初めて触れるという方にもオススメのアルバムです。

もちろん、そうは言ってもウルフさんの濃厚なブルース魂が宿る歌声はさらりと聴けるものではなく、R&Bナンバーであっても荒々しいブルースマンの姿が常に聴く人の心を揺さぶり続けるのです。

エリック・クラプトンさんが在籍したバンド、クリームも取り上げた有名曲『Spoonful』も収録!

KOH-1

Mojo Hand

Mojo HandLightnin’ Hopkins

「稲妻」と呼ばれ、黒のサングラスと葉巻がトレードマークのライトニン・ホプキンスさんは、まさに南部出身の不良おやじといった雰囲気が最高にカッコいいテキサス・ブルースのカリスマ的な存在です。

非常に多作なミュージシャンであり、生涯で残したレコードの数は100枚をこえるのだとか。

その生涯を現役のブルースマンとして貫き、酸いも甘いも知り尽くした彼の人生観そのものを表現した歌詞と歌声、そしてギター・プレイは、まさにブルースを体現したものだと言えるでしょう。

今回取り上げている『Mojo Hand』は1962年に発表されたアルバムで、弾き語りのカントリー・ブルースからバンドを従えたサウンドまでを楽しめる、ブルース史上屈指の傑作と名高い作品です。

あまりにも有名な拳のアルバム・ジャケットだけ見ても、何だか強烈な引力すら感じさせますよね。

いわゆるシカゴ・ブルースやソウル~R&B寄りのモダンなブルースと比べて、ブルースをあまり聴いたことがない方であれば取っ付きづらいと感じる面もあるかもしれませんが、匂い立つような男の色気と人生の悲哀が聴き手の心に響いた瞬間、きっとあなたもこのブルースの魅入られてしまうことでしょう。

KOH-1

West Side Soul

All Your LoveMagic Sam

1937年生まれのマジック・サムさんは、モダン・ブルースの時代の幕開けを告げる重要な存在であり、その素晴らしい才能で将来を期待されながらも32歳という若さでこの世を去った伝説的なブルースマンです。

アメリカはミシシッピ州で生まれたマジック・サムさんは、1950年にシカゴへと移住後に音楽活動を始め、1957年にはブルースの名盤を多くリリースしたレーベル、コブラ・レコードから音源を発表しています。

その後は紆余曲折ありながらも、1967年に満を持して発表されたオリジナル・アルバムが、こちらの『West Side Soul』です。

ブルースの歴史の中でもとくに評価の高いアルバムであり、まさにブルースの世界の扉を開く最初の1枚にふさわしいアルバムと言えましょう。

オープニング・ナンバーの『That’s All I Need』からごきげんなソウル風のポップなナンバーからスタートする本作は、ブルース初心者であってもとっつきやすく、聴きやすい内容です。

いなたさとメロディアスさとが同居したギター・リフの応酬、迫力のボーカル、すべてにブルースの魂が込められた、荒々しくもみずみずしい見事な傑作!

スタンダードナンバーとして知られる『Sweet Home Chicago』は、本作の収録バージョンから広く知られるようになったそうですよ。

KOH-1

House of the Blues

Walkin’ the BoogieJohn Lee Hooker

「キング・オブ・ブギ」とも称され、その独特すぎるスタイルで50年に及ぶキャリアを駆け抜けたブルース・シンガー兼ギタリストが、ジョン・リー・フッカーさんです。

ロック・ミュージシャンを始めとする他ジャンルのミュージシャンとの共演にも積極的だったジョン・リーさんは、1991年にはロックの殿堂入りを果たしており、そういった経歴からもブルースの歴史における最重要人物の1人としてリスペクトされ続ける理由の一端が見えてくるのではないでしょうか。

そんなジョン・リーさんが1959年に名門チェス・レコードから発表した『House of the Blues』は、彼の独自の音楽スタイルがなければ生まれ得なかった不思議な魅力を放つ逸品です。

デルタ・ブルースに影響を受け、弾き語りスタイルでキャリアをスタートさせたジョン・リーさんによる、打楽器のようなアコギとエレキのプレイ、足踏みで刻まれるリズム、二重コーラス、これらすべてがジョン・リーさんの多重録音で作られたものであって、バンド・サウンドによる楽曲もありますが、基本はジョン・リーさんの1人舞台といった趣。

あえてブルース初心者の方がまっさらな状態で本作に触れてみれば、その圧倒的な個性とおもしろみに気付けるかも?

KOH-1

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